100万人のレセプトデータに見る「年齢リスク」

20〜74歳の男女75万以上のレセプトデータを分析

要支援・要介護の原因(平成22年国民生活基礎調査)

「年齢リスク」を洗い出す第1弾として分析の対象としたのは、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病、変形性膝関節症、骨粗鬆症の5疾患です。
これらは、要支援・要介護の原因となる主な疾患にあげられる一方、生活習慣の改善によって予防が可能な疾患ですので、健康的でアクティブなエイジングの実現には、これらの疾患への対策が重要です。
そこで、100万人を母集団とし、20〜74歳の男女計759,120人のレセプトデータから、これら5疾患の発症率を性・年齢別に導きました。

※1年間(2011年1月〜12月)に5疾患で治療を受けた人のうち、それに先立つ約1年間(2010年1月〜12月)に当該疾患で受療した者を除外した受療率を「発症率」と定義した。

男性は脳血管疾患、女性は変形性膝関節症と骨粗鬆症のリスクが加齢とともに大きく上昇

40歳時点での発症率を1としたときの各年齢での相対リスクを示したのが以下のグラフです。
40歳時の発症リスクと比較した60歳時の相対リスクは、いずれの疾患においても増大していますが、特に男性の脳血管疾患では5.1倍、女性の変形性膝関節症では6.5倍、骨粗鬆症では実に15.5倍と、発症リスクの上昇幅が大きくなっています。

生活習慣病の相対リスク(40歳時の発症リスクを1とする) データ提供:株式会社日本医療データセンター

40代および60代前半に「年齢リスク」が集中

そこで次に、発症リスクが年齢のどのあたりで増大するかを疾患ごとに見てみました。
下のグラフの赤線は相対リスクの2歳きざみの移動平均を求めたものですが、なだらかな曲線の勾配が急になるポイントをいくつか見てとることができます。
このポイントは、多くの方たちにおいてその疾患の発症リスクが高まるポイントを意味しますので、エバーライフの考える「年齢リスク」と捉えることができます。
最も明らかなのは、女性の変形性膝関節症で、40歳および62歳のあたりに年齢リスクが存在しています。
同様に、女性では虚血性心疾患も40歳、脳血管疾患では46歳と62歳、糖尿病は46歳、骨粗鬆症は64歳に年齢リスクがひそんでいる、といえそうです。
一方、男性では、糖尿病の年齢リスクが40歳前後にあることが明らかです。
また、虚血性心疾患は42歳および62歳、脳血管疾患は40歳、48歳および62歳、変形性膝関節症は62歳、骨粗鬆症は46歳のあたりに年齢リスクが存在しています。

※データの要素の平均を求め、データの変動を平滑化して、パターンまたは傾向をよりはっきりと分析する手法。
ここでは、グラフの各点の前後を含めた計3点の移動平均を求めた。

  • 虚血性心疾患の「年齢リスク」
  • 脳血管疾患の「年齢リスク」
  • 糖尿病の「年齢リスク」
  • 変形性膝関節症の「年齢リスク」
  • 骨粗鬆症の「年齢リスク」

データ提供:株式会社日本医療データセンター

生活習慣病の「年齢リスク」

これらの年齢リスクを直線上にプロットしてみると、男女とも40代に複数の疾患の発症リスクが集中し、50代が空白となり、再び60代前半に発症リスクが増大していることがわかります。
ひと昔前までは「人生50年」といわれたものでした。当時とは日本人の疾病構造が大きく変わっているものの、50歳の手前で生活習慣病のリスクが高まり、そのリスクを回避できた方たちが50代を健康的に過ごし、しかし、60代にさしかかると再び健康を損なうリスクが増大し、そこを乗り越えた方たちが高齢期をアクティブに生き、健康寿命をまっとうできる、といえそうです。

※1947年当時の日本人の平均寿命は、男性50.1歳、女性54.0歳だった。